株式会社ファーストウェルネス      代表取締役 佐藤大悟 氏

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フィリピン留学ブームが加熱する前に、先んじてセブに日本人資本の語学学校を創り、築いた独自のネットワークを活かし不動産事業や飲食店経営を仕掛けている佐藤氏。自分事として想像することが難しい「大きな夢を持つこと」が何よりも大事だと語る佐藤氏を何が駆り立てているのか。海外でのビジネスのあるべき姿と、原動力となる大きな夢について伺った。

ご経歴


1978年生まれ。明治大学法学部法律学科卒業。
2001年~2005年の5年間で、全国共済農業協同組合連合会(全国本部)、株式会社テーオーダブリュー、株式会社帝国ホテルで勤務。
2006年 ファーストウェルネス事業開始。
2010年 株式会社ファーストウェルネス設立。
2011年 Firstwellness English Academy Inc 設立

事業内容


投資事業、資産管理のコンサルティング
英会話留学のサポート
オンライン英会話の授業提供
飲食店の経営
テニススクールの運営・企画

大きくて名前が知られている会社に入ったが・・・


-学生時代はどのように過ごされていましたか?
中学と高校で部活動でテニスをしていたこともあって、大学ではテニスサークルの活動を頑張っていましたね。日本ランキング取得のために、仲間と一緒に日本各地を回ったりしていました。後に自分の好きなことを事業にしようと思い、テニススクールの運営を始めました。

-大学卒業後、起業するまでの経歴について詳しく教えてください。

学生時代には周りに自営業の方達がいたので、そんな方たちを見ていて、人と違うことをしていきたいなと漠然と考えていたんです。やっぱり学生ですから理由が子供ですよね。笑

なのに、大きい会社で名前が知られている所に受かったので卒業してとりあえず、JA全共連に入社したんですが、素早く決断して、30代あたりからバリバリに頑張っている人、卓越した能力を持っている人を見つけられなかったので、すぐやめました。


そこから次に入ったのが、当時ジャスダック上場したばかりで、今は東証一部に上場しているイベント会社なんです。将来的に会社を経営したいと考えていたので、上場した会社がどうやって運営しているか知りたいなと思いました。会社の創り方を勉強するために経理や法務など仕組みの部分に関わりたかったんですが、現場の仕事になってしまって活躍できなかったんです。今思うと、当然なんですよね。大きな会社が若手にいきなり経営に関わる部分を任せるなんて期待したのが甘かったです。


退社してから2年ほど帝国ホテルでパート勤務をしていました。午後からの仕事だったので、午前中はNOVAで英語の勉強をしたりテニススクールの立ち上げ準備をしていたりと時間を有効に使えていたと思います。また、テニススクールの立ち上げはたまたま、少しだけNovaでレッスンを担当していたアメリカ人のコンサルタントにも手伝ってもらっていました。そこでで会ってすぐにプライベートでコンサルをお願いしたら手伝ってくれたんです。出会いは大切だと感じましたし、事業の準備と英語の勉強の一石二鳥でしたね。

-事業準備段階にNOVAに行くとなるとパートの給料だけで十分でしたか?

実は23歳~30歳過ぎまで、好きで株をやっていたんです。結構成果が出ていたので、NOVAの授業料はそこから出せました。周りに教えてくれる人はいなかったのでトライ&エラーの繰り返しでしたが、20代で1億円くらい稼いで、1億円くらい損しました。そこで辞めてしまったので、負け犬タイプですね笑。

ただ、株なんかはよほどの天才でない限りやめた方がいいですよ。マーケットに居続けると欲が出る。そして結局損をするようなものです。コンピューターとにらめっこを続けるくらいだったら、事業を始める方がいい。その方が人と社会に貢献できると思います。

 

-テニススクール事業を始められた際に苦労されたことを教えてください。

9年ほど前になるんですね。仲間集めは苦労しませんでした。大学時代の仲間と一緒に始めましたから。コートを使うのも交渉したり、お金があまりなかったですし、経営は本で読んだ位ですから、実力、経験、知識の不足が原因でなかなか思ったように事業は成長しなかったです。いろいろ苦労しましたね。

 

-どうして海外で起業されたんですか?

元々フィリピン人が講師をしているオンライン英会話をしている中で、「ほかの生徒から日本人経営の学校に留学したいんだけどどこか知らない?」と相談を受けると聞きました。調べてみると確かに当時は韓国資本の学校ばかりで日本人経営の学校はなかったんです。日本人経営の学校を創れば生徒が集まるはずだ、と考えて事業を始めることにしました。

 

-海外で法人を創るにあたって苦労したことはどのようなことですか?

会社を設立すること自体は日本で経験がありましたら大変ではありませんでした。こちらで難しかったのは、学校経営のために必要な許認可をとることです。現地の法律を知らないといけないですし、やっぱり現地のネットワークが必要でしたよね。

 

誰とどう関わるべきか

 

-どうやって現地でのネットワークを築かれたんですか?

最初は、オンライン英会話の講師と仲良くなったところからです。後はネットワークを持っている現地人のサポートを受けることも重要です。私の場合は、妻がセブ島出身なので支えも大きかったですね。

 

-現地で日本人の方同士で交流があるのですか?

日本から来られた方は基本日本人同士で交流を持ってらっしゃいますね。私が投資事業をしているということもあって、日本人の方より現地の方と関わるようにしています。政府が関わる案件や本当に貴重な情報は、やっぱり大きなビジネスマンや政治家など現地の人間が最初にキャッチします。

いち早く情報を得るためには、現地の人と関わりを持つことがやはり大事だと思います。仕事を通じて関わる人間がヘッジファンドや外資の金融に勤めていて優秀・有能なので刺激になることが多いです。

 

-優秀・有能とはどういうものと考えてらっしゃいますか?

それぞれの分野の中で秀でたものがあるか、圧倒的な武器を持っているかどうか、だと考えています。たとえば、経理だったら計算の速さ・正確さ、記憶力。金融関係であれば、どれくらい稼げるか。起業家であれば、如何に多くの人に適正価格でサービスを提供するスキームを創れるか、ですね。

 

-経営者としての能力をどうやって高めてこられましたか?


情報収集の量と実践ですね。気になることはすぐ調べますし、新聞は流し読みレベルですが毎日五紙に目を通します。やはり相手が投資家や経営者なので、情報を持っていないと話になりません。後はチャンスをチャンスとして認識できるか、適切なタイミングで適切な人と巡り合えるか、そして辛いことを乗り越えるだけのガッツです。

 

事業家としてやるべきこと

 

-読書をされるとお伺いしましたが一番勉強になった本はなんですか?

ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん・ 貧乏父さん」ですね。先ほど申し上げた通り、ビジネスは、「如何に適正価格でより多くの人にサービスが届くスキームを創ることができるか」です。私の場合は、テニススクールや語学学校、不動産紹介をやってきていますが、「低価格で更に多くの人にサービスを提供するスキーム」を創っていかないといけないと考えています。まだまだ、ですね。

 

-既に結果を出されていますが、どうして「まだまだ」といえるのですか?


たとえば、このParklane Hotelのオーナーだったら、7億円くらいなら簡単に投資をしてしまう。日本でもゼロからの創業者で時価総額1000億円の事業を創っている人もいる。そういう人と比べると自分なんて小さいじゃないですか。今関わっている人間も本当にすごいと思える人ばかりなんです。


やっぱり成功している人たちは、良い理念を持ってゴールに向かって更に進んでる方ばかりです。そういう人が周りにいたら、決して満足なんてできないですし遊んでなんていられないですよ。時間はお金です。過ぎた時間は取り戻せないのですから、やるしかない。

 

-どうやってそういう方々と関係を創られたんですか?

日本だとビジネスのコミュニケーションってお願いモードになりますよね。腰を低くして「何卒よろしくお願いいたします。」みたいに。こちらですと、「Good afternoon」の握手から入って、相手が誰であっても対等にビジネスの話をする。もちろん礼儀は必要ですが、入口が友達感覚なんですよね。後は結局どれくらい利益を出すことができるか、の結果だけです。

 

-日本人ならではの良さや強みはなんだと思いますか?

オンタイムです。時間に遅れることは誰もが良くないと思っているところです。後は、やるべきことをきっちりやりきるところですね。こちらの人は手を抜いたり、待ち合わせや仕事に遅れることなんて当たり前、納期も遅れますからね。フィリピンタイムといわれる所以です。ただ、面白いことに0.1%の素晴らしい方は、日本人のように正確なんです。

夢の大きさに人としての器が比例する

 

-尊敬される方は父親と答えてらっしゃいましたが、なぜですか?

学生時代って、お金たくさん使って大学行かせてもらってるのに、お酒飲んだり遊んだりで4年間で1000万円ほど使ってるじゃないですか。それだけじゃなくて、私のようにやりたいことを自由にやっているにも関わらず、理解してくれて受け入れてくれるから、ですね。やっぱり経営をしていると何でも自分でしないといけないので、お金と時間のありがたみが分かるんです。感謝の気持ちが出てきて当然なのかなと思います。

 

-今後の日本はどうなると思いますか?


厳しいと思います。労働人口の減少に伴って経済はシュリンクしていきますよね。キーワードは「女性の雇用」と「外国人の雇用」。外国人は英語が当たり前のように話せて優秀。かたや日本人は英語を話せない。しかも外国人の給料が安く済むとしたら、どちらが求められていくか、一目瞭然ですよね。

 

-今後どのようなことがしていきたいですか?

ヘンリー・シー(フィリピンの長者番付1位の華僑。ショッピング。モールオーナー)みたいになりたいですね。彼は18歳の頃、汚れた靴でこの国に仕事を求めてやってきたのに、今や世界で50位くらいの大富豪です。コングロマリット企業をつくってショッピングモールに加えて銀行や飲食、スーパーと何でも持っている。

そこまでは難しいですが、やるからにはそのくらい目指さないと。本物の海外ビジネスは、現地のマーケットを対象にして、現地の人間と協力しながら、現地の人間に価値を提供していくものだと思います。せっかくセブに来たんだったら、大きなことをしないと意味がないですよ。何年かしたらフィリピンで名の知れた全国規模の企業を創ることを目指しています。うまくいかなかったら、立ち直ればいいだけじゃないですか。

元々持っている夢の大きさに人の器も比例すると思いますし、その大きな夢を頭の中にがっちりと入れて近づけるようにできることをする。それだけです。

 

-若者に向けたメッセージをお願いします

自分の人生は自分で切り拓いてください。大きくて名の知れた企業に就職するとか、安定している公務員だとかを決してゴールにはしないでください。英語ができない日本人と、シュリンクしていく日本経済のことを考えると、武器を持たないと本当に生きていくことが難しくなってしまいます。

今、海外で安い労働力としてアウトソーシングが行われていますが、逆に日本人が外人に安く雇用されてしまうこともありえるわけです。ですので、自分の武器を身に着けて、専門分野でヘッドハントされるような、どこにいっても自分で食べていけるような、そんな風に自分の人生を切り拓いていってほしいと思います。

 

<編集後記>

「志があるメッセージでしたので、明日お会いさせていただければ幸いです。」アポイントをお願いするメッセージを送ってから、わずか2時間後に光栄な返信をいただき翌日にすぐにお会いしてくださった佐藤氏。

対話の中で、「まだまだ」「全然大したことがない」と何度もおっしゃっていたが、「上に行くこと」「周囲の結果を出している方々に追いつくこと、追い抜くこと」を本気で目指しているからこそ、現状に一切満足することなく出てくる言葉なのだろうと感じた。

今回のインタビューのトップバッターを飾ってくださった佐藤氏はインタビューから数日後、現地マーケットを対象にビジネスを始めた。培われた独自のネットワークを駆使しながら「攻めが最大の防御」と掲げて歩み続ける佐藤氏の今後の更なる活躍に刺激を受けながら、ちょうど10歳離れている私も10年後に肩を並べていられるように「大きなことを目指して」いこうと思った。

 

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