セブノーマル大学 教授         豊島モトボサツハルン氏

 

責任と納得を持って語れるやりたい仕事を全うする

 

-そこから現在の仕事へと繋がるわけですね。
だから今は自分が経験を通じて責任を持って語れることだけで行動しています。本当に売りたいと思った医療保険会社の代理店になり、今はやりたかったことだけやってるんですよ。語学学校のスタッフ経験を通じて、伝えておくべきだと思ったことを語学学校エージェントとして伝えています。後はフィリピン人に日本語を教える仕事もどんどん入ってきています。日本語を教えるのが一番楽しいんですよね。今は教えているだけでなんですが、できれば卒業後に巣立っていく受け皿を日本で用意してあげたいなっていうのが今の気持ちです。

 

-どういう経緯で大学教授になられたんですか?
たまたま大学が日本語の担当を募集していたので、応募したら合格したんです。契約する前に大学側からは予算もないし給料激安だけどいい?とシツコク聞かれました。恰好良く言えばお金より経験!フィリピンを知るにはまたとないチャンスですから躊躇なく開始しました。

 

-海外の大学で教壇に立ってどうですか?
これは想定の100倍以上の勉強と発見の連続です。これだけで何冊も本が書けそうですよ笑。小学校の頃かなり出来が悪かったので先生って嫌いだったんですね。だから多分日本だったら絶対やってない!そしてまだまだ模索中ですが、中間報告として先生って大きなリーダーじゃなきゃならないって思います。

教える事が仕事じゃなくて、なんていうか・・・生徒を全部守るつもりじゃないとやっててつまらないと思いますね。あ、それと海外で日本語教える事ってプレゼンの最強トレーニングですよ。訳の分らない国の大学生他を飽きさせずアテンションをキープするって相当難易度高いです。やっぱ体鍛えて来て正解でした笑。

 

フィリピンを1時間で理解できるセミナーの開催

 

-日本人を対象にセミナーもしてらっしゃいますよね。
語学留学にくると英語はお金払っている分当然英語は学べると思うんですが、意外とフィリピンという国を知らずに帰ってしまう人が大半だと思います。私がこの8年で見たり聞いたり感じたりした経験をフィードバックしてフィリピンってどんな国?だと伝えたいなと。
しかも英語で笑。

お蔭様で今では色んな学校や企業で20回以上開催し、バージョンアップを繰り返してます。
ここ3年のフィリピンの経済成長率が6.7%だとパッと言えたら物凄いフィリピン通みたいでしょ笑?そんなパッタリのバリバリ聞く情報を満載してます。絶対インパクト大でしょ?新卒中途関わらず就職活動を控えている方とか人事の人がかぶり付いてくるような演出をぜひモトボサツセミナーでゲットしてもらえたら嬉しいですね。

 

-セミナーについてもう少し詳しく教えてください
データは全部英語で作ってます。セブの大学でやる時は英語とビサヤ語。日本人向けにはビギナーには日本語と少しだけ英語で話します。
グラフや写真をまず見てもらってクイズ形式で答えて貰っています。内容は文化、芸能、経済に及びます。一言でフィリピンセットみたいな感じですね。あと、最後に試験があります。ふふふ。

日本で働いているときに常に考えていたのは、自分を如何に信用させて大きなクライアントをゲットするか、でした。そうすると自分をどれだけ大きくみせることが重要なシーンもあります。セミナーを真面目に聞いておけば次の日からフィリピンについてしっかり語れるようになりますよ。今、セブでは2018年までに完成する大型プロジェクトがいくつかあります。SRPとかバスステーション、サードブリッジなど、今セブがこんなにすごいよねと言えばネタ集ができます。使える知識じゃなかったら伝えていても、やりがいを感じられないと思います。ですから、知識はこういう使い方をすると役に立つというところまで伝えていきたいんですよ。

 

セブで見えてきた日本人の強さ

 

-日本人が持っている美徳や強みはなんだと思いますか。理由も含めて教えてください。
約束を守る事。特に時間。これは世界的に見て稀な事なようですね。しかし日本と日本人が何なのか?それは海外に出て客観的にリアルに感じなければピンときません。あと感じ方も人それぞれあって良いと思います。私が8年海外で過ごして思うのは日本人は日本人らしさを貫いて良いと思います。

しかし本当のグローバリゼーションってその日本人の素晴らしさをごり押しではなく、説得力と尊敬をもって外国人に受け入れてもらう事だと思います。まとめると国際的に魅力的な人間になるためにはどうする?って事が課題になります。
それはもう人間としての心技体の総合力。ぜひセブ島で強さ、正しさ、美しさ、優しさに磨きをかけて頂きたいと思います。

 

-海外で貧困に喘ぐ「困窮邦人」クローズアップされることが増えましたね。
困窮邦人って、一般的にいいイメージないですよね。大使館に迷惑かけたりするし人生の負け組だとか言われていますし。あれってもちろん当事者の非もありますが、社会が創りだした問題だなって思うんですよ。やっぱり、日本っていう社会の孤独や居場所のなさ、人間関係が崩壊した現代社会そのものですね。

ホームレスって家が無い人達を言うのでは無くて、居場所や家族の居ない人を指すとある方が言ってました。良かったら”モトボサツ勝手にブログセブ島編 大量の囚人が逃げ出し・・・ フィリピン巨大台風”とググって下さい。
居場所の無い人がフィリピンを求めただけ。そして日本より厳しい環境だったので身ぐるみ剥がれてしまった。そんなストーリーですね。

 

-フィリピン人は禅の達人だとおっしゃっていましたが。
フィリピンに行く前の6年間座禅に通ってました。座禅の本質って「今だけに如何に集中するか」なんです。普通仕事の事とか今抱えている問題とかすぐに思い浮かんだりして無になれません。フィリピン人って今を最大に楽しむ民族なんですよ。そして非常に人間らしい。私が何年かかっても出来ない事を普通にやっています。凄いです。フィリピンって禅の極みだったりします。

 

捨てることで強くなる。そのために武者修行をすることが大切

 

-セブに来てよかったことはなんですか?
一番よかったことは、死への恐怖が薄くなったことですね。日本より子供が沢山生まれます。そして沢山の人が簡単に死にます。
人間って死ぬんですよ。あたり前ですが。日本って余りにも安全で綺麗で完璧すぎて、死を忘れて生きて行く事が出来ます。人の死が身近にある社会では自分も死がリアルに感じられます。

死は生を意味します。だから日本に居た頃よりリアルな1日を過ごしていると思います。肩書や人脈、財産等自分を飾るためのアイテムに全く未練が有りません。それは南の島セブ島だからできたのだろうと思いますね。本当にいつもライトで快適です。

 

-今後していきたいことを教えてください
最近はスタディツアーという旅行業態が増えてきています。旅行で有名なところにいって写真をとる観光だけでは意味がないので目的を持って海外に出て行くちょっとした修行旅行です。以前、同志社大学と日本大学の海外研究グループみたいなところと縁があって、セブノーマル大学の学生との交流会をセッティングしました。人前で話す事自体が大変なのに、しかも英語で笑。グループディスカッションでは代表者が一人発表します。またそれも英語で笑。

たぶん人生観変わりますよ。オランゴ島という近年まで未開発で電気さえ無かった島があるんですが、ワイルドで可愛い子ザルのような子供の沢山いる所なんかも案内したいですね。

 

-歴史上の人物も含めて尊敬する、あるいは憧れる日本人とその理由があれば教えてください。
歴史に思いを馳せるのは好きですが、尊敬する人物は残念ながら見当たりません。強いて言うなら曹洞宗の高僧『澤木興道』。彼は高僧で有りながら家も持たず家無し興道と呼ばれました。私の理想の生活です。彼が元祖ノマドなのではないでしょうか?笑

 

-若者やこれから何か踏み出そうとしている人に向けてメッセージをお願いします。
ゼロが最高最強。人は物を幸せになるために何かを手に入れますが、実は逆。実は捨てる事でしか幸せになれません。武者修行に海外へ出ましょう。そこでは国籍も学歴も経歴もなく一匹の動物として試されます。ただやるべきことが見えてきます。

 

<編集後記>
フィリピン人の恋愛事情などのポップな情報があるかと思えば、街の観察から経済事情を読み取るシニカルな眼も面白く、非常に勉強になるブログを書かれている豊島氏。

お話いただいたモトボサツセミナーはブログを拝読していたので元々興味を持っていた。滞在中に何とかして参加できないものかとお伺いすると、インタビュー当日に語学学校で開催するという。飛び込みの参加を快く受け入れていただき、会場の語学学校まで送り迎えをしていただいた。

紆余曲折を経てセブに根付いて見てこられたものを、日本の若者に還元していきたいという想いをお持ちで、若者がセブを体感できるツアーを一緒に創り上げていくパートナーになっていただいた。発展を続けるセブで、仲間としてこれから仕掛けていけるのが楽しみで仕方がない。

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